1-2)応力集中

 応力集中とは、応力の掛かっている部材断面の急な断面変化・欠損・穴や切欠き・溶接部の欠陥などに、大きな応力が発生することを言います。

応力集中は、静的な引張強度にはほとんど影響を与えませんが、疲労強度や脆性破壊強度には大きく影響し、応力集中部からき裂が発生することがあります。

そのため設計をするにあたり応力集中を考慮することは重要なことになります。

下図は水が流れる川に板のような障害物を置いた時の水の流れを表しています。

水の流れが板の両端で速くなるのと同じように、応力の流れている材料に切欠きが存在すると、切欠き先端近傍では「内力の流れ(力線)」が密になり、その部分が大きくなっています。

これを応力集中と言います。

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応力集中の例として、下図は十分に幅が広い板材に円孔がある場合で、遠方に一様な一軸の引張応力σoが作用している場合には、円孔端部の最大応力σmaxは板断面の平均応力σo3倍になります。この円孔が縦長の楕円になればなるほど最大応力σmaxは大きくなります。

この最大応力σmaxと平均応力σoの比を応力集中係数(α)と言います。

応力集中係数 α = σmax / σo

 

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